#54『なぜ“完璧な準備”は、あなたの人生を止めてしまうのか?』 | Life Compass

#54『なぜ“完璧な準備”は、あなたの人生を止めてしまうのか?』

新しいことに挑戦しようとするとき、多くの人はこう考えがちです。
「よし、万全の態勢を整えてから始めるぞ」

達成のために必要な知識をしっかりと頭に叩き込み、まとまった時間を確保し、体調を万全に整え、やる気やモチベーションが最大限に高まる“その瞬間”を待ってから動き出そうとする。

しかし現実は、いろいろな条件がなかなか整わず、ズルズルと先延ばしになり、気づけばヤル気と情熱は段々と薄れていく――そんな経験は多くの人にもあるはず。

けれど、はっきり言って万全の環境・万全の体調・万全のタイミングが揃うなんてことは、ほぼない。

実際、みんな忙しい。
やらないといけないことは、毎日のようにある。
体調の悪い日だってあるし、気分の乗らない日だってある。

あなただって日々の仕事や家事、育児、家の用事、あなたの果たさなければならない役割など、いろいろあるでしょう。
お金も時間も体力も“有り余って暇で仕方ない”なんて人は、まずいないと思います。

 

個人的な話になるのですが、僕は約4年前頃から体を壊してしまいました。
仕事中に2度倒れ、2度とも強制入院で緊急手術を受けています。
その当時は自分のキャパを超える責任を背負い続けてしまい、もう止まることができなくなっていた。

結局、体はもう以前のように回復することはなく、もしかすると僕は天寿を全うするほど長くは生きられないかもしれない。
実際に体調が良いと思える日は、一日たりとて無い。

でも、これは僕だけの話ではありません。
人は誰でも年齢を重ねれば、体のどこかに必ず不具合が出てくるし、完璧なコンディションが続くなんてことはありえない。

人生の中では、無理をしてでもやらなければならない場面というのは、どうしてもある。
ただ、僕のように体を壊してまで走り続けてはいけない。

体だけでなく心も、そう。
僕は何かを達成しようとする時、意図的に自分を精神的に“追い込む”ことがありますが、しかし自分を精神的に“追い詰め”てはいけない。

“無理”をするのと“無茶”をするのは、全く違うということ。

 

万全ではない状態で戦っている人は多い

話は変わりますが、プロのスポーツ選手がいますよね。

試合前の選手が万全の体調かといえば、決してそんなことはない。
結果を出すために、日々のトレーニングで自分の体を限界近くまで追い込む。
体が壊れないギリギリのラインを見極め、試合の直前まで体を鍛え上げる。

実際に活躍するトップアスリートは、どこか体を故障していたりするし、とても万全とは言えない状態で戦っている。
むしろ万全な状態で挑めるほうが少ない。

もちろん、僕たちがプロのアスリート並みに自分を追い込む必要は無いし、僕もそこまでやっているわけでは当然ない。
そんなマッチョなことを言うつもりは、全くない。

でもアスリートに限らず、ビジネスであろうと、どんなジャンルであろうと、成果を出している人の多くが決して万全の状態で挑んでいるというわけではない。

限られた知識・経験しかない不完全な状態で、時間を何とかやりくりして作り、不安のなか試行錯誤を繰り返しながら手探りで一歩一歩進んでいく。

結果を出している人の多くが、決して万全の状態でチャレンジに臨んでいるわけではないのです。

 

体調不良のまま走り続ける覚悟

「勇退」という言葉がある。

困難な壁にぶつかった時、そのままぶつかって砕けてしまうのではなく、一旦退いて万全の態勢を整え、しっかりと勢いをつけてから再びチャレンジする。
そんな戦略が有効な時もあります。

でも現実には、万全の状態でチャレンジできることの方が、人生においては圧倒的に少ない。

もちろん、できる限り万全の体制を整えようとする努力は当然すべきです。
体調を整え、やるための環境を整備し、可能な限りの情報収集をすることにより、チャレンジの成功率は上がっていく。
でも「ベストの状態でチャレンジできる」という幻想は捨てなければならない。

 

僕の尊敬する人が、言っていた言葉があります。
「体調不良のまま走り続ける覚悟を持て」と。

知識や経験が足りないから踏み出せない、時間が無いから今は無理、体調がイマイチだからタップリと休養を取ってから動き出そう、他のやるべきことを先に全て片付けてから落ち着いて始めよう…
そんなことを言っていたら、いつまでたっても何もできない。

じゃあ、いつ、どのタイミングで始めたらいいのか?
答えは「思い立った時に、すぐ始めるのがベスト」です。

まずは取り掛かる。
そしてやりながら必要な知識を増やしていく。
やりながら時間を工夫して捻出していく。

そして大切なのは、やる気やモチベーションに頼りきるのではなく、習慣化し継続できる仕組みやパターンを作り、それを実生活に組み込んでいくこと。
「このタイミングでこれをやるのが当たり前」と、頭で考えずとも自然と体が動く、気分が乗らなくても当たり前のように行動してしまう、そんな状態を作り出すことが重要。

 

完璧な準備が整うのを待っていたら、人生はすぐに終わってしまう。
大切なのは、“万全の状態”ではなく、動きながら整えていくスタンス。

不完全なまま踏み出せる人から未来は開けていくと、これまでの経験上から僕はそう確信しています。