僕はずっと、誰かの「都合のいい人」だった
自分の意思も信念も持たず、頼まれたことは自分を差し置いてでも最優先でやる。
人の気分を害することは一切言わない。
自分が悪くなくても、とりあえず謝る。
常に空気を読んで、場が壊れないように立ち振る舞う。
上手く立ち振る舞う最低限のスキルだけは身に付けていたが、風見鶏のように相手によって言うことや対応を変える。
自分の中には、意思も信念も軸も、何もなかった。
「あいつに言っておけば、どうせやってくれるよ」
そんな扱い、そんな存在だった。
でもある時から、モデリングを通じて僕の「在り方」が変わった。
すると不思議なことが起き始めた。
同じことをしてあげても、返ってくる言葉が変わる。
「やってもらって当たり前」から「わざわざありがとうございます」に。
何が変わったのか?
話し方でも、テクニックでもない。
ただ、僕自身の在り方が変わったからです。
スキルと在り方は、根本的に次元が違う
多くの人が人間関係を変えようとする時、スキルに頼る。
話し方、聞き方、立ち振る舞い。
いわゆる「どうすれば楽に、最短で上手くいくか」という発想。
確かにスキルは大事だし、僕も同感です。
僕自身も人間関係を円滑にするためのスキルは身に付けてきました。
でもスキルだけでは、かつての僕のように「使われる人間」のまま終わる。
スキルとは、枝葉です。
どんなに枝葉を磨いても、そもそもの根っこが腐っていれば木は育たない。
では在り方とは何か。
例えばかつて僕がモデリングしていたGACKTさんの言葉ですが、
「人生に迷ったときは、難しい方、困難な方を取れ。これ、基本だ。その方が同じ時間を過ごしても得られる物が多い。なるべく早くに多くの知識と経験を手に入れた方が、人生が鮮やかに彩る。選択肢は常に難しく、苦しい方だ。」
楽な方ではなく、困難な方を選ぶ。
こういった“姿勢そのもの”が在り方です。
スキルが「どうすれば?」という問いなら、在り方は「どう生きるか?」という問い。
「スキル=問題解決の方法」であり、「在り方=生き方そのもの」ということ。
在り方が変わると、その人間からにじみ出る「間」や、その人間が作り出す「空気感」が変わる。
そして人というのは無意識に、その変化を敏感に感じ取る。
表面的な言葉や行動ではなく、もっと根源的な何かを。
かつての僕が纏っていたのは「何でも言うことを聞く、いい人」のオーラだった。
でも在り方そのものを変えることによって、纏うオーラや空気感が変わった。
その結果、同じ行動をしても、受け取られ方が変わった。
在り方をモデリングする、たった一つの方法
では具体的にどうするか?
在り方をモデリングするとは、一体どうやるのか?
まず最初にやるのは、心から憧れる人を一人決めること。
まさに「この人になりたい」と思えるレベルの相手を見つけるのです。
ここ、重要なのでもう一度言います。
「参考にしたい」「真似したい」じゃない。
「この人になりたい」というレベルで憧れる相手です。
なぜなら、そのレベルの強度の憧れがあって初めて、自然とその人の「生き方そのもの」に目が向くから。
理屈ではなく、感情があなたの知的好奇心を駆動する。
次に、その人の行動だけでなく「なぜそう選択するのか」という価値観レベルまで観察する。
話し方や行動、立ち振る舞いの背後にある、生き方そのものを。
「この人はなぜ、そんな選択・行動をするのか」
「この人はなぜ、そんな言葉を使うのか」
「この人は、一体どんな価値観で生きているのか」
「どんな信念を持ち、そしてどのようにしてその信念を持つに至ったのか」
「何のために生き、何を目標とし、どこに向かって進んでいるのか」
「この人の目に、世界はどう映っているのか」
そこまで迫ることで、スキルではなく在り方がインストールされていく。
スキルのモデリングとは、枝葉を真似ること。
それに対し、在り方のモデリングは、自分が何者であるか、自分のアイデンティティそのものを育て確立していくこと。
実際に僕がこれまでモデリングをしてきた相手というのは、僕とは正反対に近い人間ばかりです。
自分とは違う、ある意味遠い存在の人たちばかり。
でもその相手に強く憧れるということは、自分の中にその人と同じような価値観や考え方や世界観が存在するということ。
自分とは正反対に見えても、実はその人の在り方の中に、自分がまだ表現できていない何かがある。
だから惹かれる。
人間関係は、自分の在り方が作り出す
人間関係を変えたければ、まず自分が変わるしかない。
自分がどう在るかによって、纏う雰囲気が変わる。
雰囲気が変わると、引き寄せる人間が変わる。
引き寄せる人間が変わると、人間関係が変わり、人生そのものが変わっていく。
「いい人」として使われていた頃の僕は、スキルで乗り切ろうとしていた。
でも在り方が変わった時、僕の人間的価値そのものが変わった。
テクニックや話術は後からついてくる。
まず変えるべきは、自分がどう在るか、です。
それによって、あなたの生きる世界は変わります。
