人物の評価って、人によって不思議と変わってきますよね。
「あの人は親切な人だ」という人もいれば、逆に「あの人は冷たい人だ」なんて言う人もいる。
なぜこうも評価が違ってくるのか?
もちろん人によって見方も違えば判断のポイントも違いますので、全く同じ評価には当然ならないでしょう。
また、中には相手によってあからさまに態度を変えるという人もいたりしますよね。
なぜ人は、相手によって態度を変えたりするのでしょう?
例えばですが、キャバ嬢をやってる女性がいますよね。
キャバ嬢の女性がお金を稼ごうとする理由は、それぞれあると思います。
でも中には、稼いだお金の大半を好きな男性に貢いでいるってケースもありますよね。
これってひねくれた見方をすれば、お客さんにとっては「自分のお金を吸い上げる悪い女」、貢いでもらってる男からすれば「自分に尽くしてくれるいい女」。
一方からはお金を吸い上げ、また一方には大金を貢ぐ。
接する相手がお客さんか好きな男かによって、態度がまるで変わってくる。
この女性は同じ人物なのに、面白いですよね。
ところであなた自身にも、心当たりはありませんか?
相手によって自分の言葉や態度を変えたりといったことが。
僕自身も、相手によって態度が変わってしまうことはあります。
例えば僕は長年接客業をやって来ました。
それで、どのお客さんに対しても常に全力で接客するつもりではいるのですが、その時のお客さんによって熱量や力の入り具合はやはり変わってきます。
例えば僕のことを疑ってかかってくるようなお客さんだと、どうしても気持ちが入らないこともあるし、反対に僕のことを全面的に信頼し任せてくれるようなお客さんだと、いつも以上に気合が入る、なんてこともあります。
また、嫌いな相手の言うことはすんなりと聞き入れられないけど、自分が憧れ尊敬する人や信頼する相手の言うことは素直に受け入れてしまう、なんてこともあります。
そしてこういったことは、僕やあなた以外の人にも当てはまる。
と言うか誰が相手であっても全く態度が変わらない、なんて人は基本いない。
つまり何が言いたいのかというと、「人というのは相手によって態度を変える生き物」だということ。
もちろん元々のその人の性格もあるとは思いますが、接する相手次第で人は変わるもの。
もっと言うと「あなた次第で相手は、あなたにとって良い人にも悪い人にもなる」ということ。
例えば以前いた職場で、かなりの自己中で気難しいベテランの人がいました。
一緒に働く職場の人間とも頻繁にもめ事を起こすため、上の人間は人員の配置にかなり頭を悩ませていました。
そして人員の配置に悩んだ結果、その気難しいベテラン社員は僕とコンビを組んで業務をすることになりました(笑)
なぜ僕とコンビを組むことになったかというと、そのベテラン社員が僕に対してはメチャメチャ依怙贔屓(えこひいき)をしていたからです。他の同僚に対しては愛想が悪いのに、僕に対しては飲み物やいろいろな物をおごってくれたり、常に僕のフォローなどをしてくれたりと、あからさまに僕に対して好意的だったからです。
この気難しい人が、なぜ僕相手だとこうも友好的な態度をとるのか?
それは誰も認めなかった自己中なこの人の仕事のやり方を、僕だけが認めていたからです。
僕だけがこの人の仕事に対するこだわりをちゃんと理解し、受け入れた上で尊重していた。
だからこの人にとって僕は「自分を理解してくれるかけがえのない理解者」。
自分の価値を分かってくれる唯一無二の理解者だったのです。
人の持つ顔というのは、1つではありません。
どんな人であっても、必ず複数の顔を持っているものです。
そしてどの顔を出すかは、相手を見て決める。
つまり相手がどんな顔を出してくるかは、実はこちら次第。
元々の相手の性格もありますが、それ以上に「相手と自分がどのような関係か?」が大きく関係してくる。
もっと言うと「相手が自分にとって良い人になるか悪い人になるかは、その時点での相手との信頼関係の深さによって決まる」ということ。
僕もあなたも、職場や様々な場で気に食わない人の一人や二人はいると思います。
でもそこで、相手をこちらにとって都合のいいように変えようとする方法を考えるのではなく、まずは自分と相手の関係性に注目してみてください。
相手との信頼関係が深ければ深いほど、あなたが相手に対して何かしらの働きかけをせずとも相手はあなたに味方してくれる方向で動き始めてくれるはずです。
そのためにもまずは相手をしっかりと観察し、相手のことを理解しようと努めること。
人間の心というのは、人から理解された時に幸せを感じるものです。
人間というのは誰もが様々な顔を持っており、状況に応じてそれを使い分けながら生きています。
どの顔が出てくるかは、こちら次第。
相手との信頼関係の深さによって、相手はあなたにとって良い人にも悪い人にも変わるのです。
仁より