♯14『賢い人は、なぜ倍速で成長していくのか?』 | Life Compass

♯14『賢い人は、なぜ倍速で成長していくのか?』

僕はこれまでの人生で多くの人を見てきましたが、若いのにしっかりした人もいれば、反対に年齢的にもある程度の経験を積んできているはずなのに同じ失敗を繰り返すような人もいたりします。

経験を積めば積むほど知識も増えるし、先の予測もできるようになるはずなのに、なぜ経験の多さと人の成長は比例しないのか?
実は人の成長にとって重要なのは、経験の多さではないのです。

もちろん僕は経験自体を否定するつもりはありません。
むしろ様々な経験はその人間の視野や思考の幅を広げてくれるので、経験を多く積むことに関しては僕は賛成です。
ですが「どんな経験をするのか?」よりも、「どんなフィルターでその経験を解釈するのか?」こそが重要なのです。

例えば何かにチャレンジして成功したとする。
この成功に対して
「やった、成功したぞ!アハハハ!」
と単に浮かれて終わるだけの人と、
「今回は成功したけど、たまたまかもしれないな。じゃあ今回の上手くいった要因とは一体何だろう?」と考える人。
同じ「成功」という経験でも、その捉え方によってその後の成長の仕方もまるで変わってくるわけです。

または同じ失敗でも
「自分はなんてダメなんだ、トホホ…」
と自己卑下だけして終わる人や、
「あいつが足を引っ張るから上手くいかないんだ」
と失敗を他人のせいにする人もいれば、
「ふむ、なるほど。このやり方ではうまくいかないのか。ではどうすれば上手くいくのか?成功している人たちは一体どのようなやり方をしているんだ?」
と失敗を分析して再チャレンジに向かう人もいる。
同じ失敗・同じ経験でも、それに対する捉え方ひとつでその後の人生は全く変わっていきます。

また「最近の子は怒られ慣れてないから、メンタルが弱い」なんて話を聞きますが、ここでも重要なのは「怒られ慣れること」ではなく「怒られたことをどのように受け止め解釈するか」がポイントです。

例えば僕の父親はとても厳しい人で、僕は幼少期より毎日のように怒られたり説教を食らったりしていました。
その結果、僕が怒られ慣れたか?というと、その反対でどうしようもないぐらいメンタルの弱いヘタレ人間になりました。
なぜなら当時の僕は「父親に認めてもらえないのは、僕がダメ人間だからだ」というフィルターを持っていたから。
だから怒られるたびに自己肯定感は下がっていき、終いには大人の男性からちょっと大きな声で話しかけられただけでもビビッて逃げ出そうとするほど、怒られることに対して恐怖を感じる人間になってしまいました。

今ではそのフィルターはもう手放しているので怒られることに対する恐怖というのは無いんですが、最初の方でも言った通り「どんな経験をするのか?」ではなく「その経験を、どのようなフィルターを通して解釈するのか?」が何よりも重要だということ。

そしてさらに「その経験によって何を得られたか?一体どんな学びを得られたのか?」ということを考えることが重要。
つまり単に経験するだけでなく、ちゃんと頭を使って経験することが大切なのです。
例えば上にも挙げた通り、単なる成功・失敗で終わらず「なぜ成功したのか?なぜ失敗したのか?」といったことに思いを巡らし、次にどう生かすかまで考える。

頭を使いながら経験することによって、数少ない経験からでもモノゴトの本質にたどり着くことができるようにもなるし、その後の成長速度も全く変わってきます。
逆に頭を使いながら経験しなければ、それは「ただ経験しただけ」というだけの話。
その経験が身になることは無いということ。
何度も同じ失敗を繰り返す、いくらやってもスキルが身につかない、いつも同じことでつまずく、何度同じ過ちを繰り返しても反省しない…こういった人は「ただ経験しただけ」で、残念ながらその経験が身につくことはこの先も無いでしょう。

 

ということで何だか説教臭い話になってしまいましたが(笑)、実は今回の話は年齢問わず一般的に「賢い人」「頭の回転が早い人」「冷静沈着な人」などと言われる人たちの思考回路というか感覚といったものについての話です。

「賢い」と言われる人たちには、ある共通した特徴があります。
それは「感情のコントロールに長けている」ということ。

一般的に賢いと言われる人は、失敗に対して反省はするけど、基本的に後悔することがない。
ではなぜ後悔することがないのか?
それは彼ら・彼女らが、無駄な罪悪感を持たないからです。

例えば相手のことを思ってアドバイスしたのに、その相手が「馬鹿にされた・嫌味を言われた」と捉えてしまったとする。
すると多くの人が「自分の言い方が悪かったのかな?」「もうちょっと相手の気持ちを考えて言うべきだったのかな」と、「自分に非があった」と大なり小なり罪悪感を感じてしまいます。

でもこれが賢い人だと「へぇ、そういう捉え方もあるのか。なるほど。ではそれを踏まえたうえで今度はこういう言い方でアドバイスしてみるか。」と、目の前の現象を感情でとらえず、あたかも物理の実験でもしているかのような感覚で捉える。
ものごとを感情で捉えるのではなく、単なる事実・現象として捉えているのです。
だからどんな時でも冷静だし、ピンチの時でも頭がしっかり回転するんですね。

背負う必要のない無駄な罪悪感を感じないからこそ、焦りや不安も生まれない。
そして焦りや不安が無いからこそ、常に冷静でいられる。

そして変な罪悪感を持たないから、無駄に自分を否定することも無くなる。
自分を否定しないから、それによって高い自己肯定感も維持することもできる。
そして自己肯定感が高いからこそ、どんな経験・失敗であってもそれをプラスに解釈してどんどん成長していける。

「自分を否定することが無い」≒「自己肯定感が高い」から、たとえ叱られても「自分はなんてダメなんだ、トホホ…」なんて自己卑下することもないし、逆に「なるほど、自分のココが良くなかったのか。ということは今度からはこうすればいいんだな。」と、ネガティブな経験もポジティブに受け止めて自己成長につなげることができる。

 

ということでまとめると、賢いと言われる人と普通の人の差は「持っているフィルターの差」なんですね。
日々の経験を、どのようなフィルターを通して解釈していくか。

あなたの理想とする人生は、どんなものですか?
その理想とする人生を実現するためには、どのようなフィルターを持てば叶いますか?

あなたの人生を創るのは、あなたの持つフィルターです。
理想の人生を実現させるための最適化されたフィルターを、ぜひ作っていきましょう。

では。

仁より