♯36『同じ過ちを二度と繰り返さない方法』 | Life Compass

♯36『同じ過ちを二度と繰り返さない方法』

「また同じ失敗を、やらかしてしまった!」
こういうことって、ありますよね。

僕も子供の頃に学校の先生から「失敗はしてもいい。しかし同じ失敗は二度と繰り返すな。」みたいなことを言われた記憶があるのですが、でもやってしまうんですよね(笑)

どうすれば、失敗を繰り返さないようになるのか?
その方法を、これから解説していきます。

 

ところで多くの人はトラブルや失敗をしてしまった時、つい感情でとらえてしまいます。
「もっと自分が注意していれば…」
「もっと気を引き締めて取り組んでいれば…」

しかし、実はこれが同じミスを繰り返す原因になるのです。
ミスを繰り返さなくする方法、それは「起こった出来事を感情ではなく事実ベースで判断すること」です。

例えば──
机の手前にガラスのコップが置いてあり、そこに手が当たってしまってコップが落ち、割れてしまったとする。
多くの場合、「自分の不注意で割ってしまった。今度から気をつけよう。」と反省したり後悔したりして終わります。
これは、いわゆる道徳心や倫理観に基づく反省ですが、実はこうした精神論では再発防止にならないことがかなり多い。
なぜなら、「気をつける」だけでは、状況や環境は何も変わらないから。
結果的に、自分だけでなく他の人も同じようにコップを落としてしまう、といったことも起こってしまう。

そこで必要なのが、感情や道徳心といったものを一旦外し、ただの現象として事実を観察すること。
先ほどの例で言えば「机の手前にガラスのコップが置いてあった。そこに手が当たった。その結果コップは落ちて割れた。」
このように、ただの物理的な出来事として受け止める。

そうすると「そもそも手前の方にコップがあるから手が当たる。もっと奥の方に置けば手も当たらないし、コップが落ちることもない。」
その結果、自分だけでなく他の人もコップを落とすことがなくなる。
このように事実ベースで物事を見ることにより、合理的な判断もできるようになるわけです。

ポイントは「自分の不注意で落とした」ではなく「自分の手が当たって落ちた」の部分。
「落とした」ではなく「落ちた」と、ある意味他人事のように捉えるのがポイントです。
つまり「誰が悪いか?」ではなく、「ミスを生む仕組みそのものを変える」という発想です。

道徳的な視点を持ち込むと、「ミスをしないように頑張れ」みたいな精神論的な話になってくる。
またミスをした本人も罪悪感を抱えて感情的になり、さらに冷静な判断ができなくなってくる。

だからこそ、一歩引いて事実だけを見つめ、ミスが起こるシステムそのものを変えるという発想を持つのです。
これが、同じ過ちを二度と繰り返さないための最も確実な方法であり、また合理的かつ最適な解決策を見つけ出す方法です。

特に僕ら日本人というのは倫理観や道徳心を重んじる民族であるためか、つい精神論に走ってしまうことが基本的に多い。
とは言っても、倫理観や道徳心が良くないと言ってるわけではもちろんありませんよ。
むしろ誇るべき素晴らしい一面であると僕は思っています。
でもその誇るべき倫理観や道徳心が、逆に問題解決を遠ざける要因にもなっていたりするのです。

なのでミスを起こした時・トラブルが発生した時は、倫理観や道徳心を一旦脇に置き、感情を抜きにして目の前の出来事を単なる物理的な現象としてとらえてみる。
自分の身に起こった出来事を、あたかも他人事のように眺めてみる。
そうやって感情を抜きにして考えることにより、目の前の問題はシンプルになり、解決への道筋も見つかりやすくなっていくはずですから。

ぜひ色々な状況に当てはめて、応用してみてください。
では。