僕にとって、幼少期から20代頃までの時期はどん底ともいえる人生でした。
「何をやっても上手くいかないし、そもそも初めから上手くいく気すらまるでしない。」
「常に周りからダメ出しをされ、”どうせこいつはダメだ”と見下されている。」
そんな気持ちをずっと抱えながら生きてきた、いわば暗黒期とも言える人生でした。
「みんな見た目は大して変わらないのに、なぜこんなにまで違う人生になってしまうんだろうか?」
「能力的にもそんなに差があるとは思えないのに、なぜ人生が上手くいく人もいれば、そうじゃない人もいるのだろうか?」
若かりし頃の僕は、そんな疑問をずっと抱えながら生きてきました。
その答えを、ずっと探し続けてきました。
悩み続けた結果、僕は「ある答え」に行き着きました。
そしてその答えに気づいたことがきっかけで人生の見え方がまるで変わり、自分の人生を自分の意思でコントロールすることも出来るようになりました。
今回は僕が見つけたその「答え」を、みなさんにシェアしようと思います。
僕の人生を縛り付けていたものの正体
実は僕、子供の頃から妄想癖があります(笑)
対人恐怖症を抱え、人を避けながら生きてきた僕は、その多くの時間を空想の世界で過ごしてきました。
ただ妄想や空想をするにしても、それが自分にとってハッピーな妄想であるならいいのですが、僕の場合はそうではありませんでした。
子供の頃から劣等感まみれで人とまともにコミュニケーションも取れない、そんな僕の頭の中で繰り広げられていた妄想は、そのほとんどがネガティブなものばかりでした。
「どうせ出来っこない」
「どうせダメに決まってる」
「僕なんて、どうせ誰もまともに相手してくれない」
「どうせみんな僕のことを見下しているに決まってる」
「頑張ったって、どうせ僕の人生が開けることなんてない」
しかも思い込みというのは勢いがつくと、どんどん加速し自分の中で勝手に膨れ上がっていきます。
例え周りが「そんなことないよ」「お前の考え過ぎだよ」などと言ってくれても、一旦強い思い込みが出来てしまうと周りの言葉は一切耳に入らなくなる。
そして自分の思い込みに合うものや、自分の思い込みの正しさを証明してくれるものばかりを探しては、自分の思い込みをさらに強化していく。
例えば以前の僕は「自分は周りから見下されている」という思い込みを持っていたので、他人からちょっとキツイ冗談を言われただけで「あぁ、やっぱり僕はみんなからバカにされているんだ」「僕がいると、きっと邪魔なんだ」、そうやってあらゆるものを「自分は周りから見下されている」という思い込みを強化する材料に変えていくわけです。
また僕は「誰も僕のことをまともに相手してくれるわけがない」という思い込みも持っていました。
だから仲良くなりたい人がいても「きっと相手にしてもらえない」「僕なんかが話しかけると相手の迷惑になってしまう」そう勝手に思い込み、「あぁ、なんてかわいそうな僕なんだ」と悲劇の主人公を演じることによってますます負のループにはまっていく。
つまり、かつての僕は自分の持つ思い込みによって、自分で自分を勝手に追い込んでいたのです。
しかし客観的に自分を観察していくことにより、そのことにようやく気づくことが出来ました。
かつての僕の人生が何もかも上手くいかなかった大きな原因の1つ、それは「自分の勝手な思い込みによって、自分に対して強い自己暗示をかけていた」ということ。
ところで話は変わりますが、これまであなたは「セルフイメージ」や「自己イメージ」といった言葉を聞いたことがあると思います。
簡単に説明すると、セルフイメージとは「自分に対して、自分が抱いているイメージ」のことを指します。
例えば
・自分のことをどんな人間だと思っているか
・何が得意で、何が苦手か
・どんな性格で、自分が周囲からどう見られていると感じているか
こういった自分の中にある自分に対するイメージのことを「セルフイメージ」と言います。
そして人は、セルフイメージの通りに考え、セルフイメージの通りに行動します。
例えば
「私はどんな仕事でもバリバリこなせる有能な人間だ」
というセルフイメージを持っていれば、どんな仕事に対しても積極的に取り組み、たとえ達成困難だと思えるような案件でも怯むことなく果敢にチャレンジしていくようになります。
その結果、誰よりも仕事が出来るようになり、最後はセルフイメージで描いたとおりの有能な人間になることが出来る。
つまりセルフイメージとはその人間の設計図のようなものであり、僕らは自分の中にあるセルフイメージに基づいて行動し、セルフイメージ通りの人生を歩んでいくということです。
じゃあセルフイメージとは一体何なのか?セルフイメージとは一体何によって作られているのか?ということになりますが、一言で言うとセルフイメージとは「その人間の単なる思い込み」です。
もちろんそのセルフイメージを持つまでには様々な要因があると思います。
例えば何かにチャレンジして上手くいったり、周りの人間から褒められたり評価されることによって「自分はこれが得意なんだ」というセルフイメージが作られたり、または逆に失敗によって「自分は能力が低いんだ」といったセルフイメージが作られてしまったりとか。
人生における成功や失敗の経験、または周囲からの声や評価が自分の中で自分に対するイメージを自然と作り出し、自分の考えや行動を支配してしまう。
でも先ほども言いましたが、セルフイメージとは「その人間の単なる思い込み」です。
根拠があるように見えて、実はそのほとんどがただの思い込みでしかなかったりします。
特に性格などは、まさに自分の思い込みでしかありません。
実はかつての僕は極度のあがり症だったのですが、その思い込みを外してからはあがり症の症状はほぼ現れなくなりました。
僕自身は何ら変わったわけではないのに、あがり症という思い込みを外しただけで、以前では考えられないくらい人前でも堂々と話の出来る今の僕がいます。
結局セルフイメージとは単なる思い込みであって、その思い込みによって自分に自己暗示をかけ続けているだけなのです。
そして僕はこれまで自分に対して悪い自己暗示、例えば「自分は努力しても成功するわけがない」「自分は誰からも受け入れてもらえない」「何をやっても絶対に失敗する」といった自己暗示をかけ続け、人生が上手くいかないようになるように自らに催眠術をかけ続けていたのです。
ちなみに催眠術と言うと、例えば催眠術師が「私が指を鳴らすと、あなたは鳥になる」と言って指をパチンと鳴らすと、相手が手をばたつかせて鳥になってしまう、といったやつですね。
ただ僕の場合は、自ら自分が催眠術師になって自分に暗示をかけ、自ら催眠を発動させていたわけです。
なんともマヌケな話です。
でもこの話を、ただのマヌケな話で終わらせてはいけません。
なぜなら、自ら自分に催眠をかけているのは僕に限った話ではないからです。
実はみんな「自分はこんな人間だ」という自己暗示を自分にかけながら生きているのです。
僕は自らの思い込みによって自己暗示をかけて催眠状態になっていました。
そして自己暗示によって自分の思考や行動に制限をかけ、自ら窮屈な生き方をしてきました。
僕自身はそのことに気づくことが出来たわけですが、ではどうやって自らの催眠状態を解き、自分の望む人生を実現させていくか?
とは言っても一度こびりついた思い込みを外すことは、簡単ではありません。
それでいろいろ考えた結果、僕は「じゃあ今ある思い込みを外そうとするのではなく、これから自分に都合の良い自己暗示をかけていけばいいんじゃないの?」という結論に行き着きました。
自分にとって都合の良い自己暗示をかけるためにはどうしたらいいか?
それから僕はネットや本を読み漁り、今まさに僕が理想とする人生を生きている本物の人物を探し続けました。
そして「これだ」と思える理想の人を見つけ、僕はその人物になりきり、その人の記事や動画で語られている話をひたすら自分の中に繰り返しインストールし、意図的に自分を洗脳し続けました。
これはいわゆる「モデリング」と呼ばれるものの一種でもありますが、僕は自分の人生にとって望ましい暗示をかけることに成功し、そして人生を変えることが出来たのです。
人生のカラクリ
まずは自分自身が自らに自己暗示をかけていることにちゃんと気づく。
そして自分の理想とする人物を見つけ、その人の考え方や感覚をインストールすることによって自分にとって望ましい自己暗示を意図的にかけて上書きしていく。
あなたも僕と同じようにすれば、きっと理想とする現実を生きることが出来るようになります…と言いたいところですが、残念ながらそう簡単にはいきません。
なぜならあなたに暗示をかけているのは、あなた自身だけではないからです。
実は僕らの生きるこの世界には多くの催眠術師が存在し、あなたに催眠術をかけてやろうと常に狙っているのです。
じゃあその催眠術師たちは一体どこにいるの?ということになりますよね。
ところで今あなたは独りですか?
独りで僕のこの文章を読んでいますか?
えっ、すぐ近くに人がいるだって?
発見しましたよ、催眠術師を。
あなたの側にいるその人は催眠術師です。
気を付けてください。
…何のことか分かりませんね(苦笑)
分かるように説明していきます。
これまで話してきた自己暗示ですが、そもそも強い思い込みが出来てしまった原因というのがきっとあるはずです。
いわゆる自己暗示の元となったものです。
例えば自分の発言が偶然ウケて友人から「お前のギャグセンス、抜群だな」そう言われたことがきっかけで「俺は面白い人間に違いない」という思い込みが生まれたり。
または会社で上司から仕事のダメ出しをされて「自分は仕事の出来ない人間だ、能力の低い人間だ」という思い込みが生まれたり。
またはテレビやネットなどに出ている人間の発言に影響されてしまったりとか。
もしあなたの中に何かしらの思い込みがあるのなら、おそらくはその多くが自分の外側、つまり他人の言葉や態度といったものがきっかけとなって生まれたはず。
ということはですよ、つまりあなたは知らず知らずのうちに周囲の人間から暗示をかけられているのです。
実は僕らはみんな催眠術師で、互いに催眠術をかけ合っている状態なのです。
「自分は周囲の人間によって催眠術をかけられている」
なかなかピンと来ないかもしれませんが、最初に話した自己暗示と合わせてこの他者による催眠を心から理解することが出来たなら、あなたの見える世界の景色はまるで変わります。
あなたの人生観そのものがまるで変わるはずです。
実際に僕はこのことに気づき深く理解した時から、他人に振り回されるといったことが激減しました。
なぜなら自分が他人から催眠をかけられようとしていることに気づけるから、催眠をかけられる前に回避し自分を守ることも簡単に出来るようになるからです。
例えば会社で同僚から嫌味を言われても「あぁ、コイツは嫌味を言って僕を精神的に弱らせて、自分に有利な状況を作り出そうとしているんだな。」ということが瞬間的に分かるようになる。
つまり相手は「嫌味を言う」という手段を使い、僕を精神的に弱らせるための催眠術を仕掛けてきているわけです。
でもそれが手に取るように分かるので、その手には乗らないし、相手にもしない。
だから僕は相手の催眠術にも当然かからないし、僕の人生が邪魔されることもない。
相手がいくら何をやっても、僕が相手から何ら影響を受けることはないのです。
また、この間立ち寄ったコンビニで買い物をしたのですが、店員さんの態度がまぁ恐ろしいほど悪かったんですね。
これがまだ社会経験の少ない高校生ぐらいの子とかなら理解できるのですが、明らかに社会経験豊富な店員だったもので、さすがに僕もカチンときてしまいました。
でもその瞬間、僕のセンサーが相手からの催眠術を感知してくれたので、すぐに怒りの感情を手放していつもの冷静な状態に戻ることが出来ました。
このコンビニ店員さんですが、この人の場合は僕に対し意図的に催眠術をかけてきているわけではないと思います。
元々愛想の無い人なのか、それともたまたま機嫌が悪かっただけなのか。
ただ、仮に相手が何も意図してなかったとしても、結果的にこの店員さんは「僕の中に眠っている怒りの感情を呼び起こすための催眠術」を僕に仕掛けてきているのです。
そしてその催眠術に見事かかってしまえば、僕の怒りの感情は発動され、僕は自分のコントロールを失ってしまっていたでしょう。
このように、「周りはみんな催眠術師であり、僕らは周囲から日常的に催眠術を仕掛けられている」ということに気づくことが出来ていると、相手が仕掛けてくる催眠術を回避できるようになります。
催眠術師が同じ催眠術師の催眠にかからないのは、相手がいつどのタイミングで、どのような催眠術をかけてきているのか気づいているからですよね。
ちゃんと気づくことさえ出来れば、それを回避したり無効化することも出来るようになります。
つまり自分を取り巻く周囲の人間や様々な環境から、自分にとってマイナスとなる影響を排除し、反対に自分にとってプラスに働く影響を選んで取り込んでいくといったことが自由に出来るようになるということ。
自分の意思で、自分の人生をコントロールすることが出来るようになるのです。
ただ、1点だけ注意して欲しいことがあります。
あなたが周囲から催眠術を仕掛けられているのと同じように、あなた自身も周囲の人間に対して催眠術を仕掛けているんだということを忘れないでください。
良くも悪くもあなたの言動は、周囲の人の人生に影響を与えます。
あなたの発した言葉がきっかけで相手の中に何かしらの強い思い込みが作られる可能性もあるし、それによって相手の人生が大きく変わっていく可能性もあります。
だから「僕らは互いに催眠術を仕掛け合っているんだ」ということを理解し意識した上で、相手の人生にとってプラスの影響を与えてあげられるような催眠術をかけてあげられたなら、もう最高ですよね。
ということで僕らの生きるこの世界のカラクリ、僕らの人生を創り出している仕組みについて説明させてもらいました。
今回話したことを心から理解してもらえた時、あなたは自分の感情や行動を自分の思うがままにコントロール出来るようになり、自分の望む人生に向けて一直線に突き進むことが出来るようにきっとなれるはずです。
では。
仁より
