いつも機嫌が悪い人っていますよね。
人のミスばかりを見つけては責める人。
何かあるたびに怒鳴り声をあげる人。
思い通りにならないとすぐにキレる人。
ただそこにいるだけで、場の空気を重くしてしまう人。
同じ空間にいるだけで、同じ空気を吸っているだけで、こちらまでしんどくなってしまうこと、ありますよね。
では、なぜ彼らはいつも機嫌が悪いのでしょうか?
職場や学校、家庭など、身近にこうした人がいると本当に辛いものです。
無視できれば一番楽ですが、そう簡単にはいきません。
今回は、
「なぜ彼らはいつも怒っているのか」
そして「どう向き合えばいいのか」について、お話しします。
怒る人は「不安」を抱えている
そもそも、いつも怒っている人って、なぜあんなに怒るんでしょう?
「ストレス発散でしょ」と思う人もいるかもしれません。
確かにそれも一理あります。
でも、もっと深い理由があります。
実は、感情を乱して他人に当たり散らす行為というのは、“思い通りにならない現実”に対する苛立ちと不安の表れなんです。
人生は思い通りにいかないことだらけ。
未来のことなんて誰にも分からない。
みんな不安を抱えて生きています。
そしてその不安が大きくなると、人は耐えられなくなり、感情が乱れ、コントロールが効かなくなってしまう。
その結果、周囲の人や物に八つ当たりをしてしまうのです。
つまり、怒っている人ほど心の中に大きな不安を抱えている。
いつも怒っている人ほど、実は自信がなく、怖くてたまらないのです。
「不安」を「怒り」でごまかしているだけ
たとえば、あなたが仕事でミスをしたとします。
上司に激しく怒られる。
まるであなたが100%悪いかのように責め立てられることもあります。
確かに、あなたに非がある部分もあるかもしれません。
でも、そこまで強く怒る理由は何でしょうか?
それは――
「自分の思い通りにいかない現実」に焦りを感じているから。
その焦りや不安を「怒り」という形でごまかしているのです。
つまり、怒りとは不安の裏返し。
「不安」を「怒り」で覆い隠しているだけなのです。
怒りの本質は「不安」と「恐れ」
人の感情が乱れる時――
それは、自分の予測(期待)と現実の間にギャップが生じた時です。
そのギャップが大きいほど、感情の揺れも大きくなります。
だから、「怒られた=自分が悪い」とは限りません。
多くの場合は、あなたが相手の想定と違う行動を取っただけ。
それだけで、相手の中に不安が生まれているのです。
もちろんあなたに原因がある場合もあれば、逆に相手自身の問題であることも多い。
大切なのは、
「なぜこの人は今、怒っているのか?」
「何に対して不安を感じているのか?」
その背景を観察することです。
相手の“裏の感情”に目を向ける
たとえば、あなたを怒鳴る上司がいるとします。
その上司自身も、もしかしたらさらに上から強いプレッシャーを受けているかもしれません。
子どもの成績が悪くて怒る親も、実は「子どもの成績=自分の教育力」と思い込み、世間体を気にして不安になっていることもあります。
また、プライベートがうまくいかず、そのストレスを職場に持ち込んでいるケースもあります。
だからこそ、怒られたことを気にするのではなく、“なぜその人の感情が乱れているのか”に意識を向けることが大切なのです。
そうやって観察していくと、だんだん人の感情の奥にある「不安」や「恐れ」が見えてきます。
そして、それを理解できるようになると、相手への言葉や態度も自然と変わっていくのです。
怒る人ほど「あなたを意識している」
怒られると、つい怖くなったり、自分を責めてしまったりします。
でも実は、あなたに強く感情をぶつけてくるということは、それだけあなたの存在が相手にとって大きいということなんです。
本当にどうでもいい相手なら、人は感情を乱したり、一生懸命になったりしません。
あなたの言葉も態度も、そもそも視界に入らないのです。
だから、相手の怒りは「恐れ」の証拠であり、同時に「あなたが無視できない存在である」証でもあるのです。
見方を変えれば、世界が変わる
これからもし誰かに怒られた時は、
「この人は今、不安を感じているんだ」
そう心の中でつぶやいてみてください。
相手の怒りの本質が“不安や恐怖心”だと分かると、見える景色そのものが変わります。
あれほど怖かった相手に、「この人も苦しんでいるんだな」と同情の気持ちさえ芽生えてくるはずです。
怒りの裏には、いつも「不安」があります。
その不安を理解できるようになると、人間関係の見え方も、あなた自身の心の在り方も、静かに、でも確実に変わっていきます。
