#47:怒る人の対処法③『相手に”怒るネタ”を提供してることに気づいてますか? 』 | Life Compass

#47:怒る人の対処法③『相手に”怒るネタ”を提供してることに気づいてますか? 』

あなたの周りにはいませんか?
すぐに怒鳴る人、わめき散らす人、脅す人――。

つまり、周りの人間にプレッシャーを与えることで、自分の思い通りに事を運ぼうとする人です。

こういう人が身近にいると、頭の中は「怒られたくない」という思いでいっぱいになって、本当にしんどい。

僕もこれまでの人生で、そういった「自分の思い通りにならないとすぐ怒鳴る人」に何人も出会ってきました。
そういう人と一緒にいると、心はいつも憂鬱で、自分のペースは乱され、生きる気力すら奪われてしまいかねません。

でも、こういった相手に必要以上に怯えることはありません。
なぜなら、彼らの怒りの裏には“ある共通した心理”があるからです。

 

怒鳴る人の正体は「不安の塊」

怒鳴る人というのは、心の中に大きな“不安”を抱えています。
そしてその不安を、怒鳴ることでごまかそうとしているのです。

人は常に「こうなるだろう」という未来予測を立てながら行動しています。
しかし現実が予測どおりに進まない時、人は不安や焦りを感じ、感情が乱れます。
そして、そのギャップ(予測と現実のズレ)を無理やり埋めようとするとき、怒鳴るという行動に出る。

たとえば、会社の上司が部下に怒鳴るのも、
「このままでは目標が達成できない」
「部下が自分の思うように動かない」
という焦りや不安からです。

スポーツチームのコーチが選手を怒鳴るのも同じ。
「勝てると思っていた試合で負けそうになっている」
という現実への恐れから、感情的になってしまうのです。

つまり怒鳴る人は、自分の中の“不安”を処理できず、最も単純で幼稚な「怒鳴る」という手段で他人をコントロールしようとしているだけ。
そう、怒鳴る人ほど実は“心が弱く、余裕がない”のです。

 

怒られる人にも「怒られやすい理由」がある

では今度は、なぜか「いつも怒られてしまう人」はどうでしょうか?
同じように行動しているのに、なぜかよく目をつけられる、怒られる。
それにもちゃんと理由があります。

それは「怒られることを前提に行動してしまっている」からです。

頻繁に怒られる人は、「自分は怒られる側の人間だ」という強いイメージを、無意識に持っています。
それは過去の経験やトラウマから作られた“思い込み”です。
そしてその思い込みが、言葉や態度に表れ、怒る人の目につきやすくしているのです。

たとえば、予定より遅れてしまっている業務報告を上司にするとき。
怒られることを恐れてビクビクしながら話すと、上司の目には「自分の非を認めて謝罪している」ように見えてしまう。
その結果、余計に叱責されやすくなる。

逆に、怒られることをあまり意識していない人は、堂々と報告します。
するとその報告を聞いた上司は、業務が進んでいないことがその人間個人の責任ではなく、やむを得ないこと・当然のことのように思えてくる。

つまり、怒られることを恐れれば恐れるほど、“怒られやすい自分”を演じてしまうというわけです。

 

視点を変えるだけで、あなたは自由になる

怒鳴る人に対しては、まずこう思ってください。

「ああ、この人はいっぱいいっぱいなんだな」
「余裕がなくて、不安で仕方ないんだな」
「自分の思い通りにしたくて必死なんだな」

そういう目で相手を観察してみてください。
すると、これまで怖く見えていた相手が滑稽にすら見えてくる。
心に余裕が生まれ、相手の怒りにだんだんと飲まれなくなる。

そして、怒られる側に回ってしまったときも、同じです。
自分が怒られやすいキャラを演じていないか、自分自身を観察してみてください。
「怒られるかもしれない」という恐れを手放し、胸を張って堂々とする。
それだけで、あなたへの周りの反応は確実に変わります。

 

怒鳴る人に合わせる必要はない

怒鳴る人も、怒られる人も、根っこにあるのは“不安”です。
けれどあなたは、その不安の渦に巻き込まれる必要はありません。

あなたを怒鳴る人は、ただ自分の不安を処理できずに必死になっているだけ。
あなたを怒る人は、自分の感情をコントロールできていないだけ。
恐れることはありません。

むしろ、恐れているのは相手の方。
押しつぶされそうな不安を抱えながら、それを隠すために怒鳴っているのです。

 

相手よりも一段上の視点を持ち、怒りの裏側にある「不安」という構造を理解すれば、怒りの感情に振り回されない冷静な強さをきっと、あなたは手に入れることができます。