#62『仕事を楽しめないあなたへ、天職の見つけ方』 | Life Compass

#62『仕事を楽しめないあなたへ、天職の見つけ方』

「仕事を楽しめ」
会社の上司や先輩から、この言葉を言われたことはありませんか?

この記事に目が留まるということは、あなたはきっと今の仕事が楽しくないんだと思います。
仕事というのは、僕らの人生のかなりの時間を占めていますよね。
だから仕事が楽しいか?楽しくないか?によって、人生のクオリティそのものも大きく変わってくる。

では、どうすれば仕事が楽しくなるのか?

 


僕は20数年間、葬儀の仕事をしていますが、最初に入った葬儀会社が超体育会系のブラック企業でした。
日常的に罵声が飛び、毎日がつらく、苦しく、逃げ出したい日々の連続でした。

そんな僕を見かねたある先輩が、励ますように僕にこう言いました。
「仕事を楽しめ」と。

きっと先輩は若い僕が苦しんでるのを見かねて、アドバイスのつもりで言ってくれたんだろうと思います。
でも、その言葉は僕にはまるで届かなかった。

楽しむって、一体どうやって??
とは言え、僕も自分なりに仕事の楽しい部分を探してみました。
でも、楽しみなんて少しも見つけられない。
というか、楽しみより苦しみが圧倒的に上回る毎日。

ところで話は変わりますが、かつてソ連の強制収容所では、こんな拷問が行われていたそうです。
囚人にスコップを渡し、A地点の土を掘ってB地点まで運ばせる。
翌日になると、今度は昨日運んだB地点の土を、また元のA地点まで運ばせる。
そしてまた次の日も、その次の日も、ひたすらこれを繰り返させる。

実はこれ、肉体的な拷問ではなく、精神的な拷問です。
自分のやっていることに何の意味も見出せない。
どれだけ頑張っても、何も生まれない。
囚人たちは次第に自分の行動に意味を見出せなくなり、精神が崩壊していくそうです。

つまり人間にとって最も恐ろしいのは、苦しい仕事ではなく、意味のない仕事。
当時の僕も、まさにこれに近い状態でした。
毎日ただ怒られ、ただ時間が過ぎていく。
自分が何のために働いているのか、分からなくなっていた。

僕は完全に行き詰りました。
そこで、もう一度「僕はなぜこの葬儀業界に入ったのか?」を、改めて考えてみた。

一体僕は何のために、この仕事をしているのか?
この仕事には、一体どんな価値があるのか?
この葬儀の仕事とは、一体何なのか?
何のために葬儀の仕事は存在するのか?

考え続けた。
考え続けた結果、ある一つの答えにたどり着きました。
「葬儀とは、人間教育の場」だと。

ひとりの人間の死を通して、その場にいる全ての人間が生きることの意味を考える。
つまり葬儀とは、死と向き合うことにより、その場に集う人たちが自分事として人生を学ぶ場。
そしてその場を整えるのが僕ら葬儀社の仕事であり、まさに葬儀とは人間教育の場なのだと。

僕は自分の仕事に自分なりの意味を見出すことにより、次第に自分の仕事に誇りとやりがいを感じるようになっていきました。

意味のない土運びを強制された囚人たちとは違い、僕は自分の仕事に意味を見出した。
その瞬間から、同じ仕事なのに、見える景色がまるで変わったんです。

そして、気づけばもう20年以上もこの業界にいる。

 

「楽しい」と「面白い」は違う

じゃあ今の僕が「葬儀の仕事が楽しいか?」と言われれば、実は正直今も楽しくない。
楽しくはないが、でも面白い。

人間教育の場として、いかに最適な環境を整えてあげられるかどうかは全て僕の腕次第。
そう思うと、情熱とやりがいを感じる。

遺族の方々の心に寄り添い、故人との最期の時間を意味あるものにできた時、そこに深い充実感がある。
これが僕にとっての「面白い」だ。

あくまで僕の解釈ですが、そもそも仕事とは楽しむものではない。
その仕事の存在意義、そしてその仕事が果たすべき役割を見出し、それを全うする使命感ややりがいを感じることによって、仕事が面白くなる。

そして自分が仕事でやっていることに対して価値を感じられるようになった時、その仕事が自分にとっての天職となる。

 

天職とは「向いている仕事」ではない

多くの人が「自分に向いている仕事を見つけよう」と考えます。
でも、僕はそうは思わない。

自分がその仕事に向いているかどうかは、正直言ってあまり関係ない。
実は僕自身、葬儀の仕事が向いていると思ったことは20数年の間で一度もない。
たったの一度も。

天職とは、単に自分に向いているから天職なのではない。
やりがいや使命感をもって夢中になれる仕事こそが、自分にとっての天職。

もしあなたが今、仕事に楽しさを見出せずに苦しんでいるなら、こう自問してみてほしい。
「この仕事は、誰のために、何のために存在しているんだろう?」
「自分がこの仕事を通じて、世の中にどんな価値を提供できるだろう?」

その答えを見つけた時、あなたの仕事は「楽しい」ものではないかもしれない。
でも、きっと今までよりもずっと「面白い」ものになるはず。
そして、それこそがあなたの天職になる。

もし今のあなたが仕事を楽しめないとしても、自分を責める必要はありません。
楽しさではなく、自分のやっていることの意味を見出す。
全ては、そこから始まります。

仁より