誰かと話した後、その人のことが頭に残ることがある。
反対に、たくさん話したはずなのに、翌日には顔すら薄れていることもある。
この差って、いったい何だと思います?
実は会話には、「深さの階層」がある。
そしてどの階層で話すかによって、あなたがその他大勢として認識されるのか、それとも唯一無二の存在として扱われるのかが、決まる。
会話には5つの階層がある
浅い方から順に並べると、こうなります。
■第1層:社会的な会話
天気の話、季節の挨拶など、当たり障りのない世間話。
誰とでもできる会話であり、3秒後には忘れられる。
■第2層:情報の話
ニュース、噂話、何かのノウハウなど。
「その人じゃないとできない話」ではないので、印象には残りにくい。
■第3層:個人的な意見
単なる事実の話ではなく「自分はこう思う」といった、その人個人の意見や考え。
同じ出来事を見ても、感じ方や考え方はその人固有のものであり、それぞれ違う。
ここから初めて「この人の話」になっていく。
■第4層:感情の開示
「自分はこう思う」という意見から、もう一歩踏み込んで「自分はこれが怖い、これが悔しい、これが好きでたまらない」という感情の話になる層。
意見と似ているようで、受け取る側への刺さり方がまったく違う。
■第5層:信念レベルの話
その人の生きる姿勢、生き方そのものが表れる層。
単なる会話ではなく、その人独自の信念に基づいた発言や行動。
世界にひとつしかないオリジナルの話であり、良い意味でも悪い意味でも強烈に印象に残る。
深い層ほど、印象に残る理由
浅い層の会話は、単なる「情報の交換」。
いくら天気や流行りのニュースの話をしても、そこに「あなた」は登場しない。
でも第3層の「個人的な意見」を超えたあたりから、会話に「その人」が現れ始める。
意見が出てくると、その人の内面が見えてくる。
感情が出てくると、その人の体温が伝わってくる。
信念が出てくると、その人の核心に触れる感覚がある。
印象に残るということは、その人の「何か」が記憶に引っかかるということ。
浅い層の会話では、引っかかるものが何もない。
感情をすっ飛ばすと、信念も届かない
ここで一つ、注意したいことがあります。
信念の話、つまり第5層の話をしているのに、中には印象に残らない人もいる。
それはほとんどの場合、第4層の感情をすっ飛ばしているからだと思います。
感情が乗っていない信念の話は、どこか「評論家の話」になってしまう。
自分事の話ではない、どこからか拾ってきた借り物の言葉にしか聞こえない。
でも同じ信念でも、そこに感情が乗ると、その人の言葉は急に体温を持ち始める。
「これまで逃げてばかりで自分の人生と真剣に向き合ってこなかった。だからこそ俺は挑戦をやめない」
「私が辛い時、損得勘定抜きで手を差し伸べてくれた人がいた。だからその恩を返すためにも、自分の後に続く若い世代の力になるのが私の使命。」
このように、信念に感情が吹き込まれると、その言葉は一気に相手に突き刺さる。
また言葉でなくとも、声や目や表情に感情が乗るだけで、その言葉はまるで違うものへと変わる。
このように「意見→感情→信念」という順番で深く潜っていくと、あなたの言葉はより深く相手に届くようになる。
あなたの印象を残すために
とはいっても、いきなり信念の話をしようとしなくていい。
まずは今よりも一層だけ深い会話をする、という意識を持つだけで十分。
情報の話をしているなら、「自分はその情報について、どう思うか」を添える。
意見を言っているなら、「その意見を持つに至った背景にある感情」を一言加える。
その積み重ねの中で、自然と相手の記憶に残る話し方に変わっていきます。
印象に残る人は、特別なことを話しているわけではない。
ただ、他の人より一層だけ深いところから話しているだけなのです。
